メタリフェルホソアカクワガタについて
大型の個体でなんと言っても目立つのは、その体長よりも長い大顎にあります。細くて長い大顎には、半分くらいのところに内側やや前方を向いた一本の内歯があり、そこより基部側に左右対称ではない小さな内歯が1~6本並んでいます。一方大顎の先端は前方内側にとがっており、先より基部の方へ12前後の小さな内歯がノコギリ状に並んでいます。このノコギリ状の内歯で一番基部側の一本は若干大きくなり前方を向いています。最小型の個体では、このノコギリ状の歯だけが残り、他の内歯は見られません。
頭部は大顎に伴い発達しており、大型の個体では幅は長さの倍になります。前方の幅は広く後方で狭まっており、前方両角は強くとがります。複眼は半球状に出ており、一部のクワガタに見られるように骨格によって覆われることはありません。触角は複眼前方より出ており、長く頭楯はなめらかな三角形です。
観察例は少ないが、セレベス島での観察によると、本種が生息しているのは標高の低い土地で、木も低く明るい環境に生息しています。午前中に多くの個体数が見られ、ツバキ科の低木の若芽に多数つがいで見られます。細い枝をすばやく上り下りでき、メスなどが新芽の基部を傷つけ、頭部をつっこみ汁を吸います。このメスを警護するようにオスが覆い被さっており、鈴木(1996)は交尾したオスが、メスが他のオスと交尾をしないように警護している行動と予測しています。
飼育状態でも見られる行動として、よく飛翔するということがあります。これは、ニューギニアのパプアキンイロクワガタのように、本種が若芽や花を探し飛び回っていることが予想されます。また、オスは触ろうとすると最初は威嚇しますが、触れたとたん足を縮めて枝から落ちます。オスはマットに潜ることは殆ど無く、枝に静止していることが多いです。一方メスは餌を一週間に一度の頻度で摂取するとき以外はマットに潜り込んでいます。